運良く、バッグメーカーに潜り込んだ私
もちろん最初から作らせてもらえる訳はありません。
まずは色々な部署をたらい回し。
こういう形で入社してきた人は初ということで
みんな何をどうすればいいのやら
戸惑っていたと思いますが
私も本当に戸惑いました。
必要とされていない人間の辛さが身に染みましたねー
入社してすぐ、新入社員が入ってきたので余計に。
彼らは必要とされていて、期待されている。
私は押し掛け入社で誰からも「??」な存在で って。
別に卑屈になっていた訳じゃないけれど
本当に私の存在は「??」だったと思うのです
それでも、やるしかありませんよねー。
次、はないんだから。
大体、午前中は検品。
パートのおばちゃんに混じって、チェックしたり、箱に入れたり。
午後は、下ごしらえに移動
(量産に使う金具を揃えたり、芯材をクリッカーで抜いたり
もろもろの作業)
で、手が空いた日があれば4時過ぎくらいから
「じゃ、サンプル室行っていいよー」
と言う感じ。
サンプル室には
(当時)齢60すぎのおじさんが一人いました。
ラッキー続きなことに
その師匠は
本当に腕のいい職人さんで
そして、本当に私をかわいがってくれたのですね〜
あと、サンプルに関するもろもろを担当している女性
彼女にも本当に助けられました。
今でもいい友達&頭が上がらない存在 です。
さて、
何も分からない私にどうやって仕事を教えればいいのか
師匠はきっと、頭を悩ませたことでしょう。
習うより慣れろで
とにかくどんどん作りなさい と
いきなり作らされました。
「このバッグ作りなさい」と指定されて
(量産しているバッグでしたから、型紙などは揃っている)
包丁持たされて、裁断して。
革漉きは師匠がやってくれて
縫製は自分で。
初めて作ったバッグは
口金(がまぐちのこと)のカッチリしたバッグです。
赤い革で作りましたっけ。
忘れられません〜
まだまだ続く。