どうやって、バッグの職人になったかについて。
職人なんて、求人はまずありません。
当時の私は 途方にくれていました。
ガテンを買ったって、ハローワークに行ったって
そんな仕事ないんですよね。
まれにあるのかもしれないけれど
少なくとも私は見たことがなかったな。
求人があれば、熱意を伝えたりも出来るし
チャンスはゼロじゃないけれど
チャンスすら与えてもらえないのかー!
スタートラインにも立たせてもらえないのかー!
と 日々悶々としていた時に
思い浮かんだのが
「電話帳」
大きい図書館に行けば
東京23区のタウンページがあるよね! と思いました。
台東、足立、荒川、あたりに
バッグの工場やら問屋さんが沢山あることは
分かっていましたから そのあたりの区を中心に
「鞄 製造 卸」(だったかな?)のページを
全部コピーして帰ってきて
電話かけまくり。
今考えると、何かに取り憑かれていたとしか思えない。
あれはまさに火事場の馬鹿力。。。
電話したって、
「うちは問屋であって、作っているわけじゃない」とか
「作るのは外注」とか
当たりはないんですよ まず。
何言ってんの?って冷たくあしらわれるのがオチで。
しかーし
「サンプル室があって社内でサンプルを作っています」
という会社に当たって!
「親会社にあなたのことを話してみますね」
(ちなみに親会社はかなり有名なバッグメーカーだった!)
でもって、何故かトントン拍子に話しは進み
数時間後、
「明日、面接に来て下さい」と連絡があり
面接に行ったら
「明日から仕事に来て下さい」
「!!!」
未だにこのことを思い出すと何とも言えない気持ちになる!
だって、私、
素人に毛が生えたようなもので バッグのことなんて
ほぼ、なーーーんにも知らなかったんですよ
(一応、文化服装学院のファッション工芸科
という、バッグや靴を勉強する科を卒業してはいるんですが..
でも、それはそれだけであって、はっきり言って
何も身に付いていませんでしたから。。)
なんで、そんな私を雇ってくれたのか
これ、未だに大きな謎。
入社当時は、
「私はこれで人生の運の8割を使ってしまったな」って真剣に思っていました。
続く。