玉ぶちについて。
↓中縫いのへりに挟み込む技法。玉ぶちと書いていますが、
私はただの「玉」と言っています。
スポーティーなボストンバッグはみんなこんな感じですよね
玉に使う素材が二つ折りにしてある程度の厚みがあるなら
(ポリ芯を入れずに済むような厚みなら)
芯は何も入れずに作ります。
使っているうちにどうしても角は擦れて来るので、
本当は厚めの素材で芯なしが好ましいのですが
薄い革、合皮やナイロンだと薄いので、ポリ芯を入れます。
(で、薄いと破れて芯が飛び出して来たりするので見た目が悪い)
本来革が厚いのに、わざわざ玉の革を薄く漉いて
ポリ芯を入れているバッグの修理をやったりすると
解せない思いでいっぱいになります。ポリ芯いらないじゃん!と。。
ポリ芯。色々な太さがあります。
よく使うのは直径1.5ミリや2ミリかな。
かなり邪魔になるので、ハンガーに引っ掛けて上に。
ポリ芯なしの玉なら、普通の押さえで縫えますが
ポリ芯入りの場合は専用の押さえのほうが断然スムーズ&綺麗です。
玉はポリ芯無しの場合は1.6センチ幅で
ポリ芯入りは1.8ミリで裁断することが多いです。
双方縫い代は5ミリ程度になります。
↑普通の押さえ。
普通の押さえでポリ芯入りの玉を縫うと、
ちょうど押さえの下にポリ芯が来てしまい、非常に縫い辛いです。
ポリ芯の断面が丸いので押さえがふらふら。
安定せず、下手するとポリ芯ごと、玉ごと縫ってしまう羽目に。
出来上がったと思いひっくり返したら、
ポリ芯が見えないところがあったりして!
血の気が引く瞬間です。全部やり直しになっちゃうからね。
こちらが玉の押さえ。
押さえがポリ芯に合わせて斜めに削られています。
分かりますでしょうか。
これで縫うとポリ芯のキワにうまくミシンがかかります。
道具が大事!
(腕も大事ですが)
会社にいた頃はこの押さえが無かったため
ポリ芯入りの玉の仕事が大嫌いでした。
今も好きじゃないけど、少なくとも失敗はしなくなりました。
師匠は押さえが無くても絶対失敗しなかったからなぁ。
本当に腕が良かったんですよね。